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「クロコダイルの老舗」として知られる池田工芸。1942年に創業してからクロコダイルの専門店として日本のエキゾチックレザー業界を牽引している存在です。

 

その長年の実績から、クロコダイル最高峰と言われる入手困難な「ポロサス」の供給を可能にし、数多くの商品ラインナップを展開。希少価値のある素材の魅力をより一層引き立てるため、職人が状態を見極めながら、ひとつひとつ丁寧にクロコダイルを加工していきます。

 

その程良い「感覚」や「塩梅」は、積み上げてきた経験の先に手に入れた技術の賜物です。優れた技術の証として、1981年に黄綬褒章を受賞し高い評価を受けています。

 

池田工芸の商品は、その優れた技術だけではなく、購入しやすい価格設定であることも人気のひとつ。コストを抑えるために実店舗を持たず、オンラインストアのみで販売しています。

 

希少性の高いクロコダイルを使用しているため、常に在庫があるというわけではありません。主に予約販売をしており、その時点で売り切れてしまうこともしばしば。すぐには手に入れられない所も、期待に胸が高まり喜びも大きくなることでしょう。

クロコダイルミリオンウォレットのレビュー

今回は、池田工芸の商品の中でも人気が高い「クロコダイルミリオンウォレット」をレビューしていきます。自慢の加工技術によって仕上げられた素材感のほか、財布としての使い勝手、仕様などを細かくチェックしていきましょう。

 

 

池田工芸のクロコダイル財布は、10万円台~30万円台の価格帯で販売されています。この「クロコダイルミリオンウォレット」は税込み154,000円。

 

安価なラインに位置しますが、それでもクロコダイルの王様、ポロサス(スモールクロコ)がしっかり使われています。ブランドバリューを反映せず、またコストを抑えるテクニックが隠されているのでしょう。

■ 素材

 

 

同じ品種で同じクオリティのクロコダイル財布でも、より高額になりやすいものとは何でしょうか?

 

それは腑(ふ・ウロコと同じ意味)の模様の取り方が関係しており、真ん中から左右対称のセンターでとられたものや一枚革で作られたものです。クロコダイルの状態の良い部分を広く必要とし、一匹まるまるそのままその商品のためにしか使用できないからです。

 

この財布は、片側には丸腑(丸っぽい腑)、もう片側には竹腑(四角い腑)を使用し、真ん中で縫い合わせています。これが、商品の価格を抑えられた要因のひとつでしょう。

 

 

 

しかしながら、「高額=良い」とも限りません。素材の表情は人それぞれで好みが分かれるからです。この財布は裏表で表情が違うという面白さを感じられて、個性豊かであることを思えばなんだか得した気分にもなれます。

 

そして、そもそもこの素材自体が上質である事に変わりはありません。

 

片側の竹腑面です。腑が大きくダイナミックです。

 

 

 

池田工芸では、「池田のクロ」と名付けるほど、このクロコダイルの加工技術に自信を持っています。黒色で染色し、メノウで磨かれた表面はまばゆい光沢感。初めて手に取った時、エナメルコーティングされているのかと思っていましたが、表面を磨くことでクロコダイルそのものが輝くのだそうです。

 

もう片側の丸腑面です。

 

 

 

腑がぷっくりとふくらんでいます。このふくらみを作るために、裏から熱を入れて当てるのだそう。表面の輝きがより際立っています。

 

真正面から眺めてみると、腑のひとつひとつに自分の顔が鏡のように映り込みました。それだけ表面がなめらかで屈折しないのです。

 

その丁寧な加工の代償というべきなのか、穿孔がかなり薄いです。腑の中にキズのように見える小さな点を穿孔といいます。クロコダイル特有に見られるものですが、こういった光沢加工されたものや、表面に色塗りなどを行うと見えにくくなるようです。(ちなみに、同じワニでもアリゲーターには穿孔が見られません。)

 

内側のコインケースの表面にはゴールドに染色されたパイソンを使用。

 

 

 

表面を逆なでするとパイソン特有の鱗のざらっとした感覚をしっかり感じ取れます。深い黒色にゴールドが映えていかにも縁起が良さそうです。

■ 金具

池田工芸のこだわりのひとつである持ち手のツマミの金具。きれいに磨かれており、ムラはひとつもありません。鋭いくらいの輝きです。緩やかに弧を描くカーブも、指にフィットします。

 

 

 

しかし、とにかく長いです。金具の取り付け部分をのぞいて約7cmもあります。

 

つまみやすいのは良いのですが、持ち歩いたときにどこかに当たってしまったり、カバンに入れても中で他の持ち物と擦れてしまう可能性があるでしょう。このツマミの長さは好みが分かれるところだと思います。

 

こだわりの持ち手の良さを半減させてしまう残念ポイントが、このツマミの付け根にある、金具の取り付け部分。

 

 

 

内側の処理がガタガタで、無理やりくり抜いたかのような雑さがあります。目視では気にならない箇所ではありますが、こういった細かい部分まで気を配れていると職人の高度な技やプライドをより感じられるものです。

 

ファスナーは大きめで可動もスムーズ。

 

 

 

持ち手のツマミには光沢がありますがファスナーはマットで、このコントラストの雰囲気は心地良いです。

 

ファスナーまで光沢のあるものを選んでいれば、クロコダイルの光沢とケンカしてしまいますし、高貴を通り越してギラギラな財布になっていたことでしょう。

 

コインケースのツマミには、クロコダイルが採用されています。

 

 

 

しかし、約2.5㎝と小さめです。外側のツマミが大きすぎる分、このサイズ感の違いに驚きました。裁断で余った革を使用したという感じが否めません。

 

ファスナーをつなぐ丸カンも太めですが、少しチープな印象を受けます。良い素材には合わせる金具のクオリティを考えなければなりません。クロコダイルを使わずに、もう少し良いグレードの金具を採用しても良かったように思えます。この部分もあくまで好みですが。

■ 内側の仕様と操作性

「クロコダイルミリオンウォレット」という名前の通り、100万円が入るように作られています。現金派にはうれしいですね。キャッシュレスの風潮で財布がスリム化されていく中、現金を多く収納できるものは種類が限られあまり選択肢がありません。ターゲットが明確で、かつ好まれる容姿です。

 

 

財布の縦幅は約10.5㎝あり、通常よく見られるラウンドファスナー財布よりやや大きめです。これだけ縦幅に余裕があるとお札が取り出しやすく、きれいに整列していなくてもファスナーに引っかかることなく口を閉じられます。

 

 

 

マチは片側のみに作られています。

 

それによって、マチのない面からお札を横にスライドさせて取り出すことも可能です。上からでも、横からでも取り出せるのはとても便利でしょう。蛇腹の折り込み幅は短く、札束を無理なく収納できるようになっています。

 

カードスロットを左右に分ける真ん中の縫い目は、太めの糸で二重に縫っているようです。

 

 

 

よく触れる部分や負荷がかかる部分は太い糸で強度を上げ、あまり手で触れない部分は革の良さを邪魔しない細い糸と使い分けされています。

 

カードは左右に4枚ずつ、計8枚収納可能。「末広がりの8」を意味しているようです。

 

コインケースは内側も革を採用し、柔らかく開きやすいので視認性が高いです。

 

コインケースの端を縫い付けているマチが片側しかないため、もう片側には支えがありません。ファスナーを動かす時は若干揺れますが、中に小銭を入れて重みが出ると安定してきます。それでも気になる場合は、まっすぐ垂直にファスナーを下ろすことを意識すると良いでしょう。

 

どちらにせよ、この財布を選ぶ人は小銭をあまり持たないと思うので、問題を感じることは少ないと思います。

総評

上質な素材感を存分に味わうことのできる「クロコダイルミリオンウォレット」。パーツ選びに関して多少残念な部分もありましたが、この価格帯でこれだけのクオリティのものが手に入るのは充分な満足感が得られることでしょう。

 

高級ブランドのクロコダイルの財布となると50万を優に超えます。クロコダイルを使ってみたい、試してみたいという人にはぴったりです。

 

気負わず使えて、かつ豊かな気持ちになれるでしょう。